物語の結末はいつもHappy End

仕事に関して大切にしていることを書いていこうと思います。+少しの思いと、少しの写真と、少しの持ち物

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これからの医療介護業界の意識成長を阻む5つの壁

先日のセミナーで感じたことですが、セミナーの講師は医療介護業界のコンサルタントでありながら、医療介護業界で働いたことがないという方ばかりでした。僕も6年前まで全くの素人ですけど、大人になって素人から始めることで医療介護について分かることがあると思います。そういうことを挙げていきましょう。

1.医師の壁
医療介護の世界で医師というのは絶対的存在です。それは医師の判断が最終見解であることと、医療介護業界でのヒエラルキーの頂点に位置しているからではないでしょうか。さらに医師には「権威」というものがあります。臨床医の多くは病と対峙し患者の健康と命を守るために懸命に働いていますが、やはり政治(これは行政ということではなく権威闘争という意味で)のなかにいる医師も少なからずいて、この人たちに立ち向かえる人は少ない。僕は思うのですが、医師と病気の話をしても勝てっこありません。なので同じ土俵に立たないことが重要だと思います。僕は医療介護の世界に身をおいて、医師と病気についての話をしません。病院経営についても話をしません。その代わり、我々の経営に口を出させないようといいます。なにせ僕らは5年後先を取り組んでますから。
「それで医療介護連携が取れるのか?」と思うでしょうけど、頭のいい経営思考を持った医師なら、我々のことを上手に使おうと思っています。要は我々のほうが医師を選別するようにしています。個々で同等の地位、もしくは医師でない我々がイニシアチブを取ろうとすると良くない結果ばかり起きてきました。医師としてのプライドに傷がつくのを嫌がっているのか、「食わねど高楊枝」を決め込むのか、何が良くないのか分かりません。医師として優秀だから経営者として優秀かというとそうでもなくて、上手くいっているのは別な要因が大きいと思います。こちらが並んでいるつもりでも、絶対に心のどこかで見下されています。

2.組織の壁
医師というのは医大を出て国家資格を得ることができればなれます。もちろん、医大合格・医大卒業・国家試験の全てがハイレベルであることは間違いありません。最近では医大受験で「人間性」というのが大きなウェイトを占めるようになってきましたけど、それでも口からなんとでも言えますし、頭がいい人であれば人間性を隠すこともできますし、それ専門の訓練を受けることも可能です(実はそういう訓練の講師をしていたことがあります)。上記の「1」にある通り、医療介護業界のヒエラルキーのトップに躍り出ます。看護師が医師に意見をするところを見たことがありません。看護助手が看護師に意見するところ見たことがありません。これは何を意味するのかといいますと、「医師以外は無責任であることが多い」ということです。指示通りにすれば、絶対に上の人間が責任を取ってくれます。この構造が組織の硬直化を招きかねない。医療法人で問題を抱えているところは責任感のない医師のせいではなくて無責任な医師以外の人によって作られていることが多いように感じます。

3.事業所の壁
組織内外で牽制機能を発揮することは不正撲滅と経営効率化のための必要な要件であり、それは共通の理念と目標のもとに正常に機能していくものですが、介護事業所は同じ会社の中でも互いにいがみ合うことが多いのです。「看護部」と「介護部」が仲悪いとか、「通所」と「訪問」でいがみ合っていたりします。普通の会社で働いていた身からすると不思議なのですが、共通の理念と目標が置き去りにされてしまいます。これは次の就業意識の壁にも関連してくることなんですけど、この事業所の壁を作り出すことの最初のステップは「自分が楽をしたい」とか「私だけ大変」とかいうとこからスタートしていて、次の段階で「事業所ごとに大変さが違う」という話になってしまうのです。これは行政の指導単位と経営の管理会計単位にギャップがあるからと思うのです。それを回避する手段は包括報酬形式の事業所運営にならざるを得ませんが、これが総量規制・介護業界の既成概念という別の壁のお陰で進まない。しかし、一般の民間企業だと「大変な仕事を率先して受けることで、存在価値と大きな報酬を得られる」はずなのですが、個人単位・事業所単位でなぜか忌み嫌われます。

4.就業意識の壁
まず偉くなりたがらない。収入と仕事の責任のバランスが悪いのかもしれません。3でも書いたとおり大変な仕事から距離を置きたがります。経験を積まないと介護技術は上達しないのに、距離を置きたがるので自分のスキルも指導力も付いてこない。そしてすぐに「そんなに言うのなら、やってみてください」って言いだします。僕は「僕ができたらあなたの存在価値なくなるけどいい?」といいます。僕、父が要介護5の全身麻痺だったので、資格こそ持っていませんが、介助のほぼすべてができます。腰を傷めずにベッドから車椅子に移乗するのなんて得意。やってはいけないのでやりませんが、自分の父親をやっていたので(これはもちろん合法)たん吸引も胃からの経管栄養もできます。そんな医療行為をやってくれとは言ってるわけでもないのに、ちょっとした介助で弱音を吐くのは悪い習慣で、これは伝染病のように蔓延していきます。また属人的な経験知識が広がりを持たない、または自己流が自然蔓延してしまうという悪癖があります。暗黙知形式知化しないというナレッジマネジメントの意識の低さもありますけどね。

5.既成概念の壁
例えば、社会福祉法人格を取るのが難しいといいます。株式会社をはじめとする営利法人で銀行借入を元に経営をスタートさせたほうが簡単というのですが、「それって簡単ではない」です。私の手元にはたくさんのプロジェクトが持ち込まれてきましたが(最近はないですけど)、ほとんどが株式会社で楽観的で安易な考えなものばかりで「事業」と呼べるものは20本の1本…つまり5%ぐらいの確率。さらに経験値が乏しいものへのチャレンジ精神が薄い。法令上のできないことに対する意識が低い。すぐに「他の会社もやってる」といいますが、これも「みんながスピード違反しているからスピード違反してもいい」と同じですし、「空リースやろう」とか平気で思いつきます。このように違法行為に対する意識が低いのも既成概念の弊害(今までやっていたという意識)のひとつだと考えています。ちなみに空リースと分かってやると詐欺が成立してしまいますので経済犯罪としては重い罪が待ってます。

「うち2つです」という会社はかなり恵まれています。 「5つ全部です」それは普通です。壁への対処法についてはそれとなく匂わせていますが、この業界経験が長ければ長いほど厄介だと思います。

中にいると、こんな余計な壁を壊しながら進めなければなりません。
それはそれでやりがいを感じるところではありますが、中でやるよりも外でやったほうが効果的であることが多いのかな。
そんなことを感じたセミナーでした。

では、また次回!

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